• 木の家株式会社

土地を買う前に

土地を持たない人が家を建てるには、まず土地が必要、だから先に土地を購入してから次に家のことを考える。ごく当たり前に思えるのですが、私はお客様がこの順序で家づくりを進め思い通りの家が作れなかった例いくつか見てきました。たいていは設計を妥協して(つまり敷地の都合でできない希望を取りやめて)家を作るのです。
 
私が知るいちばんの悲劇は、名古屋市内の森の中にある土地を購入した後に建築の相談にいらっしゃった方です。そこはまるで別荘地のような環境で、私たちが建てる木の家がとても似合うところでした。しかし、土地の形が良くありませんでした。加えてその地域は壁面を敷地境界から1メートル以上後退させることが必要であり、傾斜地のため大きな擁壁が必要でした。建物高さの制限が厳しく、さらに敷地面積に対して建てることができる面積の割合がとても厳しい場所でした。
何度も提案設計をするのですがどうしてもお客様が気に入る家を設計できずそのまま音信が途絶えました。そして、約半年後にその土地の売り情報を見ることになったのです。購入した土地を売りにだされたのですね。
 
多くの方は土地を購入するときは土地のことのみ考えます。例えば周辺環境とか、通勤時間とか、学校に近いとか、そんなことを考えます。そして家の設計を始めるときには間取りや部屋同士の繋がり、設置する設備機器について考えます。つまり、家づくりを段階ごとにブツ切りに考えるのです。
 
でも建物の設計はその敷地に大きく左右されます。簡単な例を挙げると、南に面した部分が少ない土地で居室を全部南向きに配置するのは無理というものです。確かに私たちはお客様の希望を取り入れつつ、敷地に最適な提案設計を行います。でも、それがお客様の理想の家にならないこともあります。お客様が希望を実現するには用意された土地では無理ということもあるのです。
 
ではどうすれば良いか?
 
土地を持っていない人が土地から購入して自由設計で家を建てるには、土地購入の前に家の設計までしてしまうことです。私のお客様のうち何名かはそのようにして家を入手されています。お客様が購入したい土地を私が敷地調査し、提案設計をし、建築費見積と諸費用見積までお客様に情報提供します。
 
この方法で敷地を探すとなかなか土地購入ができません。敷地調査の段階で安全に不安があるのでボツになったり、気に入った設計ができない敷地だっり、建築費は想定内だけど造成にお金が掛かりすぎる土地だったりするのです。でも知らずに購入してしまったら土地購入後にこれらの問題を解決しなければなりません。
 
購入候補地の検討(調査、提案設計、見積)を何度も繰り返すうちにお客様もどのような土地なら自分の求める家が作れるか、だんだん判ってくるものです。そして最後には理想(に近い)土地を見つけることができます。
しかもその時点で建物の設計も金額も土地や住宅ローンなどの建物以外に係る費用も決まります。すべて問題無しと確認してから土地を購入しましょう。こうすれば失敗する筈ないではありませんか?
 
土地を持っていないことをポジティブに考えれば、すでに用意された敷地に家を合わせる我慢をする必要が無いので、土地選びから理想の家づくりができると言うことです。
ただし、膨大な時間が掛かります。でも大丈夫です、まずは土地選びを楽しんでください。楽しいことはあっと言う間に過ぎていきますよ。

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