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街の家

床面積33坪一戸建て、24時間エアコンつけっぱなしにしたらどうなった?

25年ほど前のこと、アメリカの取引先の人によく言われました、「空調機はつけっぱなしにしたほうが省エネなんですよ」と。彼らの言う空調機はダクト方式のセントラルエアコンで、日本では全館空調設備と言われるもの、原則つけっぱなしです。私の設計でも数件ほど導入していますが、どのお宅も60坪以上の大型住宅です。導入してみてなるほど、いつ遊びに行っても家の隅々まで快適な温度に保たれています。家を暖めるというよりは、冷えた分だけ熱を足してあげるというイメージです。
今回のお話はそれとはまったく違う事例で、コンパクトな一戸建ての住宅で市販の壁掛けエアコンを24時間つけっぱなしにしてみたということです。
木の家が設計する家はどれも家全体の熱損失量を計算しています(ログハウスを除く)。今回ご紹介する家の熱損失量は内外温度差1度あたり155.3Wです。ということは20度の温度差(冬の愛知県はだいたいこれくらい)の熱損失量は3,100Wです。単純な計算ではこれ以上の暖房能力があるエアコンを24時間つけっぱなしにすれば家ごと暖房できるワケです。ちなみに3,100Wの暖房能力というと10畳用のエアコンで充分です。ところが壁掛けエアコンでは全館空調設備のようにダクトで家の隅々まで暖気を運ぶことはできません。ここから先は試してみなければ判らないです。でもとんでもなく高い電気料金を請求されるかもという恐怖がありますね。
そんなところに社員から報告が入りました。去年の暮れにお引渡ししたお客様の家に1ヶ月点検に行ったところ「お客様は引渡してからリビングのエアコンをずっとつけっぱなしにして暮らしている」と。社員一同興味津々です。さっそく温度ロガー(温度測定器)を屋外と1階リビング、2階寝室に置いてもらい実際の生活環境を測らせてもらいました。
そして本日、温度データを回収してきました。下のグラフが二日間の温度変化を表しています。実際にはもう少し長い期間のデータですが、この二日間より外気温が高いためより快適な数値を示しているので見易くするためにカットしました。

思った以上の成果、個別の部屋まで暖気が届く

お客様がリビングに取り付けたエアコンは18畳用のルームエアコンで、引っ越した時から一度も電源を落としていません。他の部屋にもエアコンがありますが、引っ越してすぐの時に1時間ほどつけただけでそれ以降は運転していないとのことです。トイレ以外の個室は常にドアを開けた状態で暮らしているそうです。今日はすべての部屋に入らせてもらいましたがどの部屋も暖かい状態に保たれてました。温度測定では2階寝室内の温度を拾ってます。1階リビングより低めの温度で推移してますが、24時間ほぼ一定の温度で快適だそうです。対して1階リビングは朝方の温度がやや下がっています。普段は2階の寝室とリビングとは吹き抜けを通してゆるやかな対流が起きていて、朝方になって1階の温度が下がると対流が止まり2階は暖気溜まりの状態になっているのではと想像しています。

1ヶ月の高熱費は14,574円でした

そして何よりも気になるランニングコストです。お客様から電気代の領収証の写メをいただきました。結果は1月は14,574円、2月は 14,758円(どちらも税込) でした。この家の床面積は32.7坪(吹き抜けは含まれません)で4人家族です。オール電化住宅なのでこの電気料金には冷暖房のほか、給湯、調理、照明、家電機器などすべての機器に使った電気使用量が含まれます。
この結果を見ると24時間エアコンをつけっぱなしにしたほうが省エネかも知れませんね。
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